ゲーム配信スタートガイド

ゲーム配信向けマイクの選び方とOBSでの音声設定方法

Tags: ゲーム配信, マイク, OBS Studio, 音声設定, 機材選び

ゲーム配信において、映像と同様に重要な要素が音声です。高品質な音声は、視聴者に快適な視聴体験を提供し、配信者の言葉やゲームの音をクリアに届けるために不可欠です。特に、自身の声が聞き取りやすいかどうかは、視聴者とのコミュニケーションの質を大きく左右します。

この記事では、ゲーム配信をこれから始める方向けに、適切なマイクの選び方から、多くの配信者が利用している配信ソフトウェア「OBS Studio」での基本的な音声設定方法までを順を追って解説します。

配信向けマイクの種類と特徴

ゲーム配信に使用されるマイクにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。主な種類として、「ダイナミックマイク」と「コンデンサーマイク」があります。

初心者の方が自宅でゲーム配信を行う場合、周囲の環境音(PCのファンノイズ、家族の声など)をどの程度拾うかを考慮する必要があります。静かな環境であればコンデンサーマイクで高音質を目指せますが、ある程度生活音がある環境では、ダイナミックマイクの方が扱いやすい場合があります。多くのゲーム配信初心者にとっては、USB接続のダイナミックマイクまたは比較的感度が抑えられたUSBコンデンサーマイクが導入しやすい選択肢となります。

マイクの接続方法

マイクをPCに接続する方法もいくつかあります。

手軽さを重視するのであればUSB接続マイク、将来的に機材を拡張したり、より本格的な音質を目指したりしたい場合はXLR接続マイクとオーディオインターフェースの組み合わせを検討すると良いでしょう。初心者が最初に選ぶマイクとしては、PCに直接繋ぐだけで使えるUSB接続のマイクが推奨されます。

初心者向けマイク選びのポイント

初めてゲーム配信用のマイクを選ぶ際に考慮すべきポイントをいくつかご紹介します。

  1. 予算: 予算に応じて選べるマイクの種類や品質が異なります。まずは1万円〜2万円程度のUSB接続マイクから検討を始めるのが現実的です。
  2. 種類: 自宅の配信環境に応じて、ダイナミックマイクかコンデンサーマイクかを検討します。生活音が多い場合はダイナミック、静かな環境を確保できる場合はコンデンサーが候補になります。USB接続のコンデンサーマイクでも、単一指向性(マイクの正面の音だけを拾いやすい特性)のものを選ぶと、周囲の音を拾いすぎずに済みます。
  3. 接続方法: 手軽さを優先するならUSB接続、将来的な拡張性や音質を重視するならXLR接続+オーディオインターフェースを選択します。初心者にはUSB接続がおすすめです。
  4. その他機能: マイク本体にミュートボタンが付いているか、ヘッドホン端子が付いていて自分の声を確認できるか(ダイレクトモニタリング)なども、配信中の利便性を高める重要な機能です。

多くのゲーム配信初心者から支持されている製品としては、SONYのECM-PCV80U(コンデンサーマイク、スタンド付き)、audio-technicaのAT2020(コンデンサーマイク、USB接続モデルやXLRモデルあり)、Blue Microphones(現在はLogicoolの一部)の Yeti(USBコンデンサーマイク)などがあります。これらの製品は、価格と性能のバランスが良く、多くの配信で使用実績があるため安心して導入しやすいでしょう。

OBS Studioでのマイク設定方法

マイクをPCに接続したら、次にOBS Studioでマイク音声をゲーム配信に乗せるための設定を行います。

1. マイクをPCに接続する

使用するマイクの接続方法に従って、PCに正しく接続してください。 * USBマイク: PCの空いているUSBポートにケーブルを接続します。PCが自動的にデバイスとして認識するまで待ちます。 * XLRマイク: マイクとオーディオインターフェースをXLRケーブルで接続します。次に、オーディオインターフェースとPCをUSBケーブルなどで接続します。オーディオインターフェースによっては、事前に専用ドライバーソフトウェアのインストールが必要な場合があります。

2. OBS Studioを起動し、音声入力ソースを追加する

OBS Studioを起動します。画面下部の「ソース」ドックにある「+」ボタンをクリックし、「音声入力キャプチャ」を選択します。

表示されるウィンドウで、新しいソースの名前を分かりやすいように入力します(例: 「ゲーム配信用マイク」)、「新規を作成」が選択されていることを確認して「OK」をクリックします。

3. デバイスを選択する

「プロパティ」ウィンドウが表示されます。「デバイス」のドロップダウンリストから、PCに接続したマイクまたはオーディオインターフェースを選択します。使用しているマイク名やオーディオインターフェース名が表示されているはずです。正しいデバイスを選択したら「OK」をクリックします。

これで、選択したマイクからの音声がOBS Studioに入力されるようになります。

4. 音量レベルを確認・調整する

OBS Studioの画面下部にある「音声ミキサー」ドックを確認してください。追加した音声入力キャプチャソース(例: 「ゲーム配信用マイク」)が表示され、音量レベルメーターが話すと連動して動くようになります。

音量レベルメーターを見ながら、実際に話してみて適切な音量になるようにスライダーを調整します。メーターのピークが、赤色の領域に常時入るような大きすぎる音量は避けてください。音が割れたり歪んだりする原因となります。黄色い領域に時々入る程度が目安です。

5. 基本的な音声フィルターを設定する

より快適な音声にするために、基本的な音声フィルターを設定することを推奨します。音声ミキサードックで、マイクソースの歯車アイコンをクリックし、「フィルター」を選択します。

「音声フィルター」ウィンドウが表示されます。左下の「+」ボタンをクリックし、以下のフィルターを検討します。

これらのフィルターは、一つずつ追加し、実際に声を出しながら効果を確認し、パラメーターを調整してください。

よくある問題と対処法

まとめ

ゲーム配信における音声品質は、視聴者満足度に直結する重要な要素です。この記事では、ゲーム配信向けマイクの主な種類と接続方法、初心者向けのマイク選びのポイント、そしてOBS Studioでの基本的な音声設定方法について解説しました。

適切なマイクを選び、OBS Studioで正しく設定することで、クリアな音声を視聴者に届ける準備が整います。まずはUSB接続の定番マイクから始めてみて、慣れてきたらより高音質を目指して機材のアップグレードを検討するのも良いでしょう。

今回ご紹介した情報を参考に、ぜひあなたのゲーム配信の第一歩を踏み出してください。