ゲーム配信に最低限必要な機材とは?初心者向け選び方解説
ゲーム配信を始めるにあたり、「どのような機材が必要なのか」「何から準備すれば良いのか」といった疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるかと存じます。特に、PCは普段仕事で使っているものの、配信に必要な周辺機器については全く知識がない、という方も多いでしょう。
本記事では、ゲーム配信を始めるために最低限必要な機材とその選び方について、初心者の方にも分かりやすく解説いたします。無駄な出費を避け、スムーズに配信環境を構築するための一助となれば幸いです。
ゲーム配信に必要な機材の全体像
ゲーム配信を行うためには、主に以下の機材が必要となります。
- PC本体: 配信ソフトウェアの実行、映像・音声の処理、配信プラットフォームへのアップロードを行います。
- マイク: 配信者の音声を視聴者に届けます。
- ウェブカメラ: 配信者の映像を視聴者に届けます。必須ではありませんが、あるとより親近感のある配信ができます。
- ゲーム機本体: プレイするゲームの種類によって異なります(PCゲームの場合はPC本体、家庭用ゲーム機の場合は各ゲーム機)。
- キャプチャーボード: 家庭用ゲーム機の映像・音声をPCに取り込むために使用します。(家庭用ゲーム機を配信する場合のみ必要)
- ディスプレイ: ゲーム画面や配信中のコメント、配信ソフトウェアなどを表示するために使用します。PCとゲーム機で分けて使用する場合もあります。
- その他: ヘッドセット、照明、LANケーブルなど
これらの機材の中から、ゲーム配信を始めるにあたって「最低限これだけは準備しておきたい」というものと、それぞれの選び方のポイントをご紹介します。
初心者が選ぶべき最低限の機材と選び方
1. PC本体
PCはゲーム配信における中心的な役割を担います。配信ソフトウェアを動作させ、ゲーム画面を取り込み、映像や音声をエンコード(圧縮処理)してインターネットに送信する処理能力が必要です。
選び方のポイント:
- 性能: ゲームプレイと同時に配信処理を行うため、ある程度のCPUとメモリの性能が求められます。一般的な事務作業用PCでは力不足となる場合があります。最低でもIntel Core i5またはAMD Ryzen 5以上のCPU、8GB以上のメモリを推奨します。可能であればCore i7/Ryzen 7や16GBメモリがあるとより安定します。
- ストレージ: ゲームや配信ソフトウェア、録画データを保存するために十分な容量が必要です。SSD(Solid State Drive)を搭載しているPCであれば、起動やソフトウェアの動作が快適になります。
- グラフィックボード (GPU): PCゲームの配信や、一部の配信ソフトウェアでのエンコード処理に影響します。NVIDIA GeForce GTX 1650/RTX 3050またはAMD Radeon RX 6500XT/RX 7600以上の搭載を推奨します。家庭用ゲーム機のみを配信する場合でも、配信ソフトの安定動作のために一定の性能があると安心です。
- ノートPCかデスクトップPCか: デスクトップPCの方が同価格帯で高性能な傾向があり、拡張性も高いですが、設置場所を取ります。ノートPCは省スペースで持ち運びが可能ですが、高性能モデルは価格が高くなりがちです。予算や使用環境に合わせて選択してください。
推奨される選択肢: コストパフォーマンスを重視する初心者の方には、ゲーム用途としても使用できるミドルレンジクラスのデスクトップPCがおすすめです。既存のPCを使用する場合は、CPU、メモリ、GPUの仕様を確認し、配信に必要な性能を満たしているか確認することが重要です。
2. マイク
配信者の声は視聴者とのコミュニケーションにおいて非常に重要です。PC内蔵のマイクや安価なヘッドセットのマイクでは、音質が悪く聞き取りづらい場合があります。
選び方のポイント:
- 接続方法: 主にUSB接続とXLR接続があります。初心者の方にはPCに直接挿すだけで使えるUSB接続のマイクが手軽でおすすめです。XLR接続はオーディオインターフェースという別の機材が必要になりますが、より高音質を目指す場合に検討します。
- 集音方法(指向性): 単一指向性のマイクは、マイクの前面の音を集中的に拾い、側面や背面の音(部屋の反響音やキーボードの打鍵音など)を拾いにくいため、ゲーム配信に適しています。
- タイプ: ダイナミックマイクとコンデンサーマイクがあります。コンデンサーマイクは感度が高くクリアな音を拾いやすいですが、周囲の環境音も拾いやすい傾向があります。ダイナミックマイクは頑丈で周囲の音を拾いにくいですが、口元に近づけて使用する必要があります。一般的な室内環境での配信であれば、USBコンデンサーマイクが手軽さと音質のバランスが良い選択肢となることが多いです。
推奨される選択肢: USB接続の単一指向性コンデンサーマイクやダイナミックマイクから選ぶのが良いでしょう。配信者向けに設計された製品も多く販売されています。
3. ウェブカメラ(任意)
配信者の顔を映すことで、視聴者との距離を縮めることができます。必ずしも必要ではありませんが、あると配信の魅力が増す場合があります。
選び方のポイント:
- 解像度とフレームレート: 最低でもHD(720p)、可能であればFull HD(1080p)の解像度に対応しているものが望ましいです。フレームレートは30fps以上であればスムーズな映像になります。
- 画角: どのくらいの範囲を映したいか(顔だけ、上半身など)に合わせて選びます。
- オートフォーカス: 自動でピントを合わせてくれる機能があると便利です。
- 内蔵マイクの有無: カメラに内蔵マイクがついている製品もありますが、別途マイクを用意する場合、内蔵マイクは使用しないことが一般的です。
推奨される選択肢: Full HD(1080p)/30fps対応のUSBウェブカメラが一般的です。最近では高画質な製品も比較的安価に入手可能です。
4. キャプチャーボード(家庭用ゲーム機配信の場合のみ)
PlayStation 5やNintendo Switchなどの家庭用ゲーム機でプレイしている画面をPCに取り込むためには、キャプチャーボードという機材が必須となります。
選び方のポイント:
- 接続方法: PCとUSB接続する「外付けタイプ」と、PC内部のスロットに差し込む「内蔵タイプ」があります。初心者にはPCへの接続が簡単な外付けタイプがおすすめです。
- 対応解像度とフレームレート: 配信したいゲームの解像度(Full HD、4Kなど)とフレームレート(30fps、60fpsなど)に対応しているか確認します。
- パススルー機能: ゲーム画面を遅延なく別のディスプレイに表示するための機能です。この機能がないと、PCに取り込んだ画面を見ながらプレイすることになり、遅延でゲームプレイに支障が出る場合があります。多くのキャプチャーボードに搭載されていますが、購入時に確認することをおすすめします。
推奨される選択肢: Full HD/60fps対応でパススルー機能を搭載した外付けタイプのキャプチャーボードが、多くの家庭用ゲーム機配信で標準的に使用されています。
5. その他
- ディスプレイ: ゲーム画面と配信ソフト画面を同時に表示するために、PC用のディスプレイが少なくとも1台必要です。キャプチャーボードのパススルー機能を利用する場合は、もう1台ゲーム機用のディスプレイがあると便利です。
- ヘッドセット/ヘッドホン: 自分のゲーム音やPC音を聞くために必要です。マイク付きのヘッドセットもありますが、音質を重視する場合は別途マイクを用意し、ヘッドホンと組み合わせるのが一般的です。
- LANケーブル: 安定した配信のためには、PCとルーターを有線LANケーブルで接続することを強く推奨します。無線LANは通信が不安定になりやすく、配信が途切れる原因となる可能性があります。
機材選びで失敗しないための注意点
- 予算を決める: 必要な機材をリストアップし、全体の予算感を決めましょう。一度に全てを揃えるのが難しければ、最低限必要なものから段階的に購入することも可能です。
- 互換性を確認する: 特にキャプチャーボードとPCの接続方法、PCのOS(Windows/Macなど)との互換性は重要です。製品情報やレビューをよく確認してください。
- 必要な性能を見極める: 高ければ良いというわけではなく、ご自身が配信したいゲームの種類や目標とする配信品質(解像度、フレームレート)に見合った性能の機材を選ぶことが大切です。
Q&A:初心者の方が抱きがちな疑問
Q: スマホやタブレットでゲーム配信はできますか? A: 一部のプラットフォームやゲームアプリでは可能ですが、PCを使った配信の方が高機能で安定しており、多くの方が行っています。本記事で紹介しているのはPCを使った配信方法を想定しています。
Q: 中古の機材を購入するのはどうですか? A: 費用を抑える手段としては有効ですが、製品の状態や保証に注意が必要です。特にPCやキャプチャーボードなどの精密機器は、可能であれば信頼できる店舗やフリマサイトなどで、状態が良く保証付きのものを選ぶのが安全です。
Q: 今持っているPCがノートPCですが、ゲーム配信できますか? A: ノートPCでもゲーム配信は可能です。ただし、デスクトップPCに比べて発熱しやすく、長時間配信には向かない場合や、冷却性能が低いと性能が十分に発揮されない場合があります。また、増設や交換が難しい部品(CPU、GPUなど)が多いため、購入時に必要な性能を満たしているか慎重に確認してください。
まとめ
ゲーム配信を始めるために最低限必要な機材は、PC本体、マイク、そして家庭用ゲーム機を配信する場合はキャプチャーボードです。これらの機材を選ぶ際は、配信したいゲームや目標とする品質に合わせて、性能や互換性を確認することが重要です。
まずは必要最低限の機材から揃え、実際に配信を試しながら、必要に応じて機材をアップグレードしていくことをおすすめします。機材の準備ができたら、次は配信ソフトウェアの設定に進みましょう。本サイトの他の記事も参考に、あなたのゲーム配信ライフをスタートさせてください。