ゲーム配信を効率化!二画面環境でのOBS Studio設定方法
ゲーム配信を始めるにあたり、多くの情報を同時に確認しながら進めることは効率的であり、視聴者との円滑なコミュニケーションにもつながります。特にPCゲーム配信では、複数のウィンドウを同時に表示できる二画面構成が非常に有用です。この記事では、二画面環境でゲーム配信を行う際の基本的な考え方と、OBS Studioを使った具体的な設定方法について解説します。
二画面構成でゲーム配信を行うメリット
二画面構成を採用することで、ゲームプレイに集中しながらも、配信に必要な情報へすぐにアクセスできるようになります。主なメリットは以下の通りです。
- 情報への即時アクセス: ゲーム画面を表示しているメインモニターとは別に、サブモニターにOBS Studio、配信サイトのコメント欄、配信管理ツール、Discordなどを表示できます。これにより、ゲームを中断することなく、視聴者のコメントを確認したり、配信の状態を監視したりすることが可能になります。
- 作業の効率化: シーンの切り替え、ソースの追加・編集といったOBS Studioの操作を、ゲーム画面を隠すことなく行えます。
- 視聴者とのコミュニケーション促進: コメントをリアルタイムで確認しやすくなるため、視聴者の反応に素早く対応し、より密接なコミュニケーションを図ることができます。
これらのメリットは、多忙な中で効率的に配信を行いたいと考えている方にとって、特に大きな利点となります。
二画面環境の準備
二画面環境を構築するためには、以下の準備が必要です。
- 追加のモニター: 既存のPCモニターに加えて、もう1台モニターを用意します。特別な高性能モニターである必要はありませんが、PCと接続するための適切な入力端子(HDMI、DisplayPortなど)を備えていることを確認してください。
- 接続ケーブル: 用意したモニターをPCに接続するためのケーブル(HDMIケーブル、DisplayPortケーブルなど)が必要です。PCとモニターの端子の種類に合わせて選択してください。
- PCの出力端子: ご使用のPC(グラフィックボード)に追加モニターを接続するための空き出力端子があるか確認します。通常、デスクトップPCのグラフィックボードには複数の出力端子が搭載されています。ノートPCの場合も、外部出力端子(HDMI、DisplayPort、USB Type-Cなど)が複数あれば可能です。端子が足りない場合は、ドックやアダプターが必要になることもあります。
モニターをPCに接続したら、Windowsの設定でマルチモニターが正しく認識されているか確認します。「設定」>「システム」>「ディスプレイ」を開き、2台のモニターが表示され、配置が正しく設定されていることを確認してください。通常は「表示画面を拡張する」設定を選択します。
OBS Studioでの二画面活用設定
二画面環境が整ったら、OBS Studioを活用するための設定を行います。
- OBS Studioの配置: OBS Studioのウィンドウをサブモニター(ゲーム画面を表示していない方のモニター)にドラッグして配置します。これにより、ゲームプレイ中はメインモニターにゲーム画面のみが表示され、サブモニターでOBSの操作や監視が行えるようになります。
- 必要な情報の表示: サブモニターに配置したOBS Studio上に、配信中に確認したい情報を表示させます。
- OBS Studio本体: シーン、ソース、音声ミキサー、シーントランジション、コントロールなどの基本ドックを表示します。
- 統計ドック: 配信のパフォーマンス(CPU使用率、フレーム落ちなど)を確認するために、OBS Studioの「ドック」メニューから「統計」を選択し、ドックとして表示させておくと便利です。
- コメントドック: 多くの配信サイトに対応したコメント表示ツール(例:Streamlabs Chat Boxなど)を導入し、OBS Studioのソースとして追加するか、ブラウザドックとして表示させることで、コメントをリアルタイムで確認できます。
- 配信サイト管理画面: 配信サイト(YouTube、Twitchなど)のダッシュボードや配信管理画面をブラウザで開き、サブモニターに表示させておきます。これにより、視聴者数、配信状況、投げ銭などを確認できます。
これらの情報をサブモニター上のOBS Studioやブラウザで整理して配置することで、ゲームプレイに集中しながらも、配信に必要な情報を効率的に管理することが可能になります。
配信中に起こりうる二画面関連のトラブルと対処法
二画面環境での配信中に、いくつかのトラブルが発生する可能性があります。
- マウスカーソルがゲーム画面からサブモニターに移動してしまう: フルスクリーンでゲームをプレイしている場合でも、設定によってはマウスカーソルが別のモニターに移動してしまうことがあります。ゲーム側の設定でウィンドウモードやボーダーレスウィンドウモードを試したり、マウスカーソルの移動を制限するサードパーティ製のツールを利用したりすることで改善する場合があります。
- サブモニター上のウィンドウがゲームのパフォーマンスに影響を与える: サブモニターで動画を再生したり、CPUやGPUに負荷のかかるアプリケーションを起動したりすると、メインのゲーム画面や配信の安定性に影響を与えることがあります。配信中は、サブモニターでは極力静的な情報表示に留めるか、使用するアプリケーションのリソース消費を確認・制限することが推奨されます。
- 解像度やリフレッシュレートの設定: 二つのモニターで異なる解像度やリフレッシュレートを使用している場合、ゲームやOBSの表示に影響が出る可能性があります。PCのディスプレイ設定で、それぞれのモニターに適切な設定が適用されているか確認してください。
これらのトラブルは、環境によって原因が異なる場合があります。まずはPCのディスプレイ設定やOBS Studioの設定を見直し、原因を特定していくことが重要です。
まとめ
二画面構成でのゲーム配信は、配信の効率を大幅に向上させ、視聴者とのコミュニケーションを円滑にするための有効な手段です。追加のモニターとケーブルを準備し、PCのディスプレイ設定を行った上で、OBS Studioや配信に必要な情報をサブモニターに配置することで、ゲームプレイと配信管理を両立させることが可能になります。
今回解説した内容を参考に、ご自身の環境に合った二画面構成を構築し、より快適で効率的なゲーム配信を目指してください。設定を進める中で疑問点が生じた場合は、各ツールの公式ドキュメントや関連情報を参照することをお勧めします。