ゲーム配信にゲームパッド操作を表示する方法:OBS Studioで視聴者へ動きを伝える設定
はじめに:ゲームパッド操作の表示がもたらすメリット
ゲーム配信において、ご自身のプレイ画面だけでなく、どのような操作を行っているかを視聴者に視覚的に伝えることは、配信の質を高める一つの方法です。特にアクションゲームや格闘ゲームなど、複雑な操作が要求されるゲームでは、ゲームパッド(コントローラー)の入力状況を表示することで、視聴者はあなたのプレイスタイルやテクニックをより深く理解できます。これにより、視聴者は配信に一体感や共感を感じやすくなり、エンゲージメントの向上につながる可能性が考えられます。
この機能は、特別な機材を追加することなく、お使いのPCと配信ソフトウェアであるOBS Studio、そしていくつかのツールやウェブサービスを利用することで実現可能です。本記事では、OBS Studioを使用してゲーム配信画面にゲームパッドの操作状況を表示するための具体的な手順を解説します。
ゲームパッド表示の仕組みと準備
ゲームパッド操作を配信画面に表示するためには、以下の仕組みを利用します。
- ゲームパッドの入力情報を取得するツール/サービス: ゲームパッドのボタン入力やスティック操作などの情報をリアルタイムで取得し、ウェブブラウザで表示可能な形式に変換します。
- OBS Studioのブラウザソース: 取得したゲームパッド操作情報をウェブブラウザ上で表示している画面を、OBS Studioの「ブラウザソース」機能を使って配信画面に取り込みます。
今回は、比較的容易に利用できるツールまたはウェブサービスを例に解説を進めます。インターネット上にはいくつかのゲームパッド表示ツールやウェブサービスが存在しますが、その中でも設定がシンプルで視覚的に分かりやすいものを選ぶことが推奨されます。例としては、「Gamepad Viewer」といったウェブサービスがよく利用されます。
準備するもの:
- OBS Studioがインストールされ、基本的な配信設定が完了しているPC
- ゲームパッド(PCに接続できるもの)
- インターネット接続環境
ステップ1:ゲームパッド表示ツールの準備
ここでは「Gamepad Viewer」(https://gamepadviewer.com/ など)を例に説明します。ウェブサービスのため、ソフトウェアのインストールは不要です。
- PCにゲームパッドを接続します。
- ウェブブラウザを開き、Gamepad Viewerのウェブサイトにアクセスします。
- サイトにアクセスすると、接続されているゲームパッドが認識されているか確認してください。サイト上でゲームパッドのボタンやスティックを操作してみて、画面上の表示が反応するか確認します。認識されない場合は、ゲームパッドが正しくPCに接続されているか、またはドライバーが適切にインストールされているか確認してください。
- ゲームパッドが認識されたら、表示したいゲームパッドの種類(例:Xbox、PlayStationなど)と表示テーマを選択します。
- 設定が完了すると、その設定に基づいたゲームパッドの操作表示画面が表示されます。この画面をOBS Studioに取り込みます。通常、この表示画面は専用のURLで提供されます。そのURLをコピーしておいてください。
ステップ2:OBS Studioへのブラウザソース追加
次に、Gamepad Viewerで表示されているゲームパッド操作画面をOBS Studioに取り込みます。
- OBS Studioを開きます。
- ソースリスト内で右クリックし、「追加」を選択、「ブラウザ」をクリックします。または、ソースリストの下にある「+」ボタンをクリックし、「ブラウザ」を選択します。
- 新しいソースの名前を入力します。例えば「ゲームパッド表示」など、分かりやすい名前を付けてください。
- 「ブラウザソース」の設定ウィンドウが表示されます。
- 「URL」の欄に、ステップ1でコピーしたGamepad Viewerの表示画面のURLを貼り付けます。
- 「幅」と「高さ」には、ゲームパッド表示画面の推奨サイズを入力します。Gamepad Viewerの場合、表示テーマによって推奨サイズが異なりますが、多くの場合は幅500〜800ピクセル、高さ300〜500ピクセル程度で適切に表示されます。必要に応じて調整してください。
- 「OK」をクリックして設定を閉じます。
これで、OBS Studioのプレビュー画面にゲームパッドの操作表示が現れます。
ステップ3:表示位置とサイズの調整
OBS Studioのプレビュー画面上で、追加したブラウザソース(ゲームパッド表示)を任意の位置に移動させたり、サイズを変更したりして、配信画面に最適な配置を行います。
- ソースを選択した状態で四隅や辺をドラッグすると、サイズを変更できます。
- ソースの中心をドラッグすると、位置を移動できます。
- 必要であれば、右クリックメニューの「変換」から、回転や反転、トリミングなどの詳細な調整も可能です。
- 他のソース(ゲーム画面、Webカメラ映像など)との重なり順を調整するには、ソースリスト内で「ゲームパッド表示」ソースを上下にドラッグするか、右クリックメニューの「並べ替え」を使用します。通常は他のソースの上に表示されるように配置します。
ステップ4:テストと確認
配信を開始する前に、必ずテストを行ってください。
- OBS Studioでプレビュー画面を確認しながら、実際にゲームパッドを操作してみます。
- OBS Studio上のゲームパッド表示が、ご自身の操作とリアルタイムで正確に連動しているかを確認します。
- 必要であれば、別のデバイス(スマートフォンや別のPC)でご自身の配信チャンネルを開き、テスト配信や配信プレビュー機能を利用して、視聴者からどのように見えるかを確認します。
- 表示の遅延や不具合がないか、サイズや位置は適切か、他の画面要素(ゲーム画面やWebカメラなど)と干渉していないかなどを確認します。
問題がなければ、設定は完了です。
トラブルシューティング
- ゲームパッド操作が表示されない:
- ゲームパッドがPCに正しく接続されているか確認します。
- Gamepad Viewerなどのツール/サービスでゲームパッドが認識されているか確認します。
- OBS StudioのブラウザソースのURLが正しいか確認します。
- OBS Studioのブラウザソースを一度削除し、再度追加してみます。
- 表示に遅延がある:
- PCのパフォーマンスが不足している可能性があります。他のソースの設定(解像度やフレームレートなど)を見直すか、PCのスペックを確認してください。
- インターネット回線の状態が不安定な場合も影響することがあります。回線状況を確認してください。
- 使用しているツール/サービスの負荷が高い可能性も考えられます。
- 表示サイズが合わない、画質が悪い:
- ブラウザソースの「幅」と「高さ」の設定を見直してください。
- 使用しているツール/サービスの表示設定で、解像度やサイズ調整が可能か確認してください。
まとめ
OBS Studioのブラウザソース機能とゲームパッド表示ツール/サービスを組み合わせることで、ゲーム配信画面にリアルタイムのゲームパッド操作を表示することが可能です。この機能は、視聴者にとってあなたのプレイをより分かりやすくし、配信への興味を引きつける効果が期待できます。設定自体はそれほど複雑ではありませんが、使用するツールやサービスによって手順が若干異なる場合がありますので、それぞれの利用方法も参照してください。テスト配信をしっかりと行い、視聴者にとって見やすい配置とサイズに調整することで、より質の高いゲーム配信を目指すことができるでしょう。